ペット保険とは
ペット保険は、飼い主がペットの病気や怪我に備えるための仕組みです。人間の健康保険に似ていますが、ペット専用のものがペット保険と呼ばれます。
一般的な保険は、加入者が保険料を支払い、病気やケガ、事故や災害などの出来事が起きた際に、保険会社がその損失を補償します。
まず、多くの保険加入者がみんなでお金を出し合っておく。そして、保険加入者の中にトラブルが起こった人がいたら、その人を助けるために出し合ったお金を使う。それを取りまとめるのが保険会社。という形で成り立っています。ペット保険も同様です。
保険には入っておいた方がいいと思う!
わたしたちは治療にお金かかったことあるからね…
めちゃんこお世話になったー!
わたしは保険使ったことはないけど入ってる
ペット保険を選ぶときの主なポイント

ペット保険は多くの保険会社が取り扱っています。また、保険会社ごとに特徴や種類があります。そのため、自分とペットにとって必要な保険を選ぶことが大切です。
ここでは、保険を選ぶために比較するポイントとなる項目を紹介します。
保険料
ペット保険に加入するためには、保険料を支払うことが必要です。保険料は保険会社や保険の種類によって異なります。また、保険の補償内容のほか、ペットの種類や年齢などでも変わります。
猫の場合は、品種によって保険料が変わることはほとんどありません。年齢が上がるにしたがって少しずつ保険料が高くなっていきます。
もちろん保険料は安い方が、飼い主の負担が軽くなります。ただし、保険料が安い保険は、補償も減ってしまうのが一般的です。保険料が安いだけでなく、他の項目にも注意して選びましょう。
補償内容
ペット保険は、それぞれ補償する内容が異なります。主な補償内容は、通院・入院・手術に分けられます。
通院は、ペットを動物病院に連れて行って治療してもらい、終わったら家に連れて帰るものです。そのまま病院に預けて、一晩以上病院で治療を続けると、入院とされます。そして、いわゆる外科的な処置が行われるのが手術です。
ペット保険の種類によって、通院・入院・手術のうち、補償されるものが決まっている場合があります。入院や手術は費用が高額になることが多いものの、起こることが多いのは通院です。どの範囲の補償が必要か考えてペットを保険を選ぶことが必要です。
補償割合
ペット保険によって、補償される割合が決められています。100%、90%、70%、50%などの種類があります。
飼い主がペットの治療のために動物病院に支払った金額のうち、この補償割合に応じた金額が保険金として支払われます。例えば5万円を支払った場合には、補償割合が70%なら3万5千円、50%なら2万5千円です。
補償割合が高い保険の方が、受け取れる保険金が多くなります。そのため、保険料は一般的に高くなります。
ペット保険を選ぶときの注意点
ペット保険を選ぶときの主なポイントは、上で説明した保険料・補償内容・補償割合です。ただし、その他にも注意すべきことがいくつかあります。
ここでは、ペット保険を選ぶときの注意点を紹介します。保険会社やペット保険の種類によって大きく異なるので、保険加入時には確認が必要です。
補償の内訳
ペット保険が補償する内容は、通院・入院・手術に分けられます。そしてペット保険によっては、この3種類の内容それぞれを別々に補償するものがあることに注意が必要です。
例えば、最大補償100万円とされているペット保険でも、通院20万円、入院40万円、手術40万円と、それぞれ個別に上限が決められている場合があるのです。その場合、通院の20万円の枠に達したら、入院と手術の枠は使っていなくても、それ以上は通院しても保険金を受け取ることはできません。
ペット保険に入る際に、どのようなトラブルが起こるかはわかりませんが、自分とペットに合った補償内容であるかを検討する必要があります。
上限金額
ペット保険には、何種類かの上限金額があります。主なものは、保険全体での補償金額の上限、補償の内訳それぞれの上限金額、1日の補償の上限金額です。
保険全体での補償金額の上限は、最もわかりやすいものでしょう。ペット保険のパンフレットなどでも見やすく表示されています。1年間に最大で100万円までの保険金が受け取れる、あるいは70万円までといった金額です。
補償の内訳それぞれの上限金額は、少しわかりにくい仕組みかもしれません。補償内容が通院・入院・手術に分けられて、その内訳ごとに上限金額が設定されるものです。1年間で通院20万円、入院40万円、手術40万円など、保険全体での補償金額の上限と別に定められていることがあるので、注意してください。
1日の補償の上限金額が設定されているペット保険もあります。例えば1日の上限金額が3万円とされている70%補償のペット保険で、1日の通院で5万円かかった場合、本来の70%である3万5千円ではなく、上限の3万円が受け取れることとなります。
免責金額
免責とは、ペット保険の補償の対象にならない部分のことを言います。免責金額が5,000円と設定されているペット保険では、ペットの治療のために支払った金額から5,000円が差し引かれた金額が補償対象となります。
例えば、動物病院に行って治療費が3万円だった場合に免責金額が5,000円ならば、補償対象金額は2万5千円です。この金額を対象として、90%や70%といった補償割合に応じた保険金が受け取れます。
そのため、免責金額が設定されているペット保険では、1万円以下のような比較的安価な治療の際に受け取れる保険金が少なくなります。その分、上限金額が高くなるなど、高額な治療に備えやすいこともあります。さまざまな条件の設定によってペット保険の特徴が決まるのです。
回数制限
ペット保険では、1年間に受け取れる保険金の上限が決められています。それに加えて、保険金を受け取れる治療の回数が設定されているペット保険もあります。
1年間20回までと決められているペット保険の場合、もし1年間に50回動物病院で治療を受けたとしても、30回は補償対象になりません。もし継続した通院が必要になった場合には、回数制限を超えてしまうかもしれない点は確認しておきましょう。
継続審査の有無
ペット保険は1年単位での契約になることがほとんどです。そのため、加入し続ける場合でも、毎年契約を更新する必要があります。
通常は自動的に更新手続きが行われるので、加入者である飼い主は特に何もする必要はありません。ペットの年齢に応じて、保険金が少し上がることを確認するだけで問題ないでしょう。
しかし、ペット保険によっては、保険会社側が更新を断る場合があります。ペットの健康状態や保険の利用状況、今後必要となることが予想される治療内容などから、契約を打ち切られるのです。ペットの健康状態から考えて保険金の支払いが過大になるであろうと判断された場合に多く見られます。
もし継続した治療が必要な病気にかかってしまったら、長期間にわたって定期的に病院に通うこととなります。それを理由に保険を打ち切られると、その後の負担が大きくなってしまいます。その可能性についても確認しておくべきでしょう。
加入可能年齢
ペット保険は、保険会社ごとに加入できる年齢が決められています。
猫は年齢が上がるほど病気にかかりやすくなる傾向があります。そのため、若いうちはペット保険に入る必要も感じないかもしれません。しかし、歳をとって体調を崩しやすくなってからペット保険に入ろうと思っても、もう入れなくなっているということもあり得るのです。
ペット保険は年齢が上がるほど保険料が高くなります。若いうちは負担が軽いということでもあるので、歳を取ってからではなく、早いうちに加入を検討すべきでしょう。
ペット保険の一般的な注意点

ここまでは、ペット保険を選ぶときのポイントや、確認すべき注意点を説明してきました。これらは、ペット保険ごとに異なるため、選ぶ際には違いを確認する必要があります。
その他に、ペット保険には一般的な注意点もあります。多くのペット保険で共通しているため、選ぶときのポイントにはなりませんが、ペット保険に入る際には知っておくべき項目です。
加入制限
ペット保険に入れないペットもいます。加入制限の代表的なものには、年齢制限があります。年齢制限は保険会社によって異なるので、それぞれ比較の際に確認してください。
多くの会社に共通している加入制限は、ペットが健康であることです。ペット保険に申し込む時点で、大きな病気などにかかっていないことが条件となります。
例えば、ガンなどの完治が難しい病気、腎不全や糖尿病などの慢性的な病気があげられます。白血病ウィルスに感染しているなど、発症していなくても加入できない場合もあります。
一般的な病気や怪我であっても、ペット保険への加入を断られたり、加入に際して条件を設定されることがあります。我が家では、ペット保険に入る前に骨折したことがある猫の加入時に、特別な条件が提示されました。保険加入以前の骨折を原因として治療が必要になったら、それは保険適用外となるというものです。すでに骨折の治療は終わっていましたが、将来的に再手術が必要になったとしても、その費用は補償されません。
骨折する前に保険入っておけばよかったなあ
また、ペット保険に加入できるのは、家庭で飼育されているペットに限られます。ブリーダーが販売するために育てている猫や、猫カフェの興行のために飼われている猫などは加入できません。
対象外になる費用
ペット保険は人の保険と違い、治療に関わる費用の多くが補償対象外となります。例えば、人の保険では、病院に通うためのタクシー代も補償対象となるものが多くなっていますが、ペット保険では含まれません。
自然災害による怪我なども、ペット保険では対象外です。暴風雨や洪水に巻き込まれて怪我をしても、人の保険と違って補償されません。リスクを避けるためにも、室内で飼育し、外に出ないよう気をつけましょう。
ワクチンを接種していれば防げる病気も、ペット保険では補償されません。猫なら3種混合ワクチンの接種が基本となっていますので、保険に入ったとしてもワクチンは接種しましょう。
その他に、予防のための治療や診療も保険の対象外です。健康診断やワクチン接種、サプリメント代などが代表例です。爪切りや耳掃除などの健康体のペットに行われる行為も対象外です。
また、時間外診察料も対象外となっています。緊急の場合、夜間でも動物病院に連れて行くことになります。時間外の診療では追加料金が必要な病院が多いのですが、その時間外診察料については補償対象外となっている保険がほとんどです。
申請方法
ペット保険を使って保険金を受け取るためには手続きが必要です。申請書に必要事項を記入して、動物病院の領収書と共に郵送で提出するのが一般的な方法です。
ただし、手続き方法は保険会社ごとに少しずつ異なります。最も簡単なものは、動物病院での支払い時に即時適用されます。多少面倒なものでは、保険の申請用紙に担当した獣医さんのサインが必要です。
そして、必要書類を提出した後、保険会社で内容の確認をしてから保険金が振り込まれます。多くの保険では実際に保険金が受け取れるまでに数週間かかります。
実例で考えるペット保険の選び方
ペット保険を選びときには、いろいろなポイントを比較してみる必要があります。とはいえ、具体的に自分のペットのためにどのような保険が良いのかを想像するのは難しいでしょう。
そこで、我が家の猫たちのかかった病気や治療費などから、どのようなペット保険が合っているかを実際に見てみます。
膀胱炎
雄猫がかかりやすい病気に、膀胱炎や尿道結成があります。我が家でもオスのトラ猫マールが膀胱炎になりました。
おしっこに血が混じりました…痛かったです
そのときの治療は、動物病院に行って診察を受け、薬を処方してもらうというものでした。治療費は15,660円。
ペット保険の適用では、通院1日、治療費15,660円ということになります。
補償割合が70%の保険であれば10,962円、50%の保険であれば7,830円の保険金が受け取れます。
ただし、免責金額が設定されている場合、その金額が差し引かれることに注意が必要です。免責金額5,000円で補償割合が70%の場合、15,660円ー5,000円=10,660円が対象となります。そして、補償割合が70%の保険であれば7,462円、50%の保険であれば5,330円が受け取れます。
これくらいの金額なら保険入ってなくてもなんとか大丈夫かな
百合の花の誤飲
人にとっては問題なくても猫にとっては危険な食べ物があります。人の食べ物を猫にあげなければ良いのですが、食べるとは思わないようなものでも、猫が食べてしまうこともあります。しかも、猫が知らずに食べてしまうと命に関わるものもあるのです。
百合などの球根から育つ植物が代表例です。我が家のマールは百合の花を食べてしまったことがあります。そのままでは中毒症状を引き起こしてしまうので、救急病院で胃洗浄をしてもらい、そのまま入院になりました。
毒だなんて知らなかったんです…
あれ以来、うちにはお花がないね…
合計で282,366円の治療費がかかりました。ただし、夜間病院だったので夜間割り増し診察料金の11,000円は保険の対象外です。また、免責金額が1日あたり5,000円であれば、その分も差し引かれます。通院と入院合わせて4日間だったので20,000円が差し引かれ、262,366円が保険の対象となります。
すると、補償割合が70%の保険であれば183,656円、50%の保険であれば131,183円が受け取れます。
ただし、内訳が設定されているペット保険では注意が必要です。この治療の場合、通院費用が35,370円(時間外診察料を除くと24,370円)、入院費用が246,996円でした。それぞれに対して保険金が計算されます。
さらに、保険金の上限金額が決められていることもあります。補償割合が70%であれば、入院費用の246,996円の保険金は172,897円です。しかし、もし入院費用の上限が1入院あたり15万円であれば、全額は受け取れずに15万円が受け取れる保険金となるのです。
治療費が10万円超えると、保険に入っててよかったーってなるね
骨折
我が家のミモザは足を骨折したことがあります。子猫の頃、兄弟のマールと遊んで飛び回っているときに折ってしまったようで、帰宅したら足を引きずっていたのです。子猫の留守番のさせ方は考えなければなりません。
あれはびっくりしたね
骨折の治療は、内訳を整理すると、以下のようになっていました。
通院 2日 28,726円
入院 11日 180,260円
手術 1回 200,000円
合計 408,986
それぞれ補償割合が70%とすると、受け取れる保険金は以下のようになります。
通院 20,108円
入院 126,182円
手術 140,000円
合計 286,290円
ただし、内訳ごとに上限金額が設定されているペット保険では注意が必要です。もし手術や入院が10万円までとされていたら、その上限を超えた分の保険金は受け取れません。
また、免責金額が設定されている保険の場合、補償の対象になる金額が変わります。
まだ保護された直後で保険入ってなかったんだよねー。ごめんねー
リンパ腫
マヒナはリンパ腫になってしまいました。それも非常に珍しくて進行が早いというLGLリンパ腫というものでした。治療も頑張りましたが、発症から半年ほどで亡くなってしまいました。運次第と考えるしかないのですが、残念な病気です。
がんばって生きたよ! 楽しい猫生だったよ!
その間、マヒナは入院や手術はしていません。すべて通院でした。毎日のように通院していた時期もあれば、抗がん剤治療が始まってからは1〜2週間に1度の通院になった時期もあり、合計で24回病院に行きました。その間の治療費の合計は、113万2,679円です。
これがすべて保険の対象となれば、補償割合が70%であれば79万2,875円、50%であれば56万6,339円です。
ただし、内訳が設定されている場合、受け取れる金額が大きく減ってしまいます。全体の上限金額が100万円を超えている保険でも、内訳が設定されているものでは、通院の上限は20万円から30万円とされているものが多いようです。そのため、マヒナの事例では、その分しか受け取れなくなるのです。
また、免責金額が設定されているペット保険でも、対象額が少なくなります。1日あたり5,000円が免責額の場合、24回の通院で12万円が保険の対象から除かれます。そのため、受け取れる保険金は、補償割合が70%であれば70万8,875円、50%であれば50万6,339円です。
わたしの場合は1年間の上限が70万円の保険だったので、上限いっぱいまでもらいました。あきらめないで治療できるっていうだけで気持ちも変わるよね
おすすめ保険の種類

ペット保険を選ぶ際に重要なのは、まず補償割合です。主な保険会社では、70%と50%が用意されています。補償割合は高い方が安心できるので、70%の方を選ぶ方がおすすめだろうと考えています。もっと安心するためには、90%や100%の補償割合のペット保険への加入を検討しても良いでしょう。
とはいえ、補償割合が高くなるほど、保険料が高くなるのが一般的です。そのため、月々の保険料を確認して、無理のない範囲で、もっとも補償割合が高いもの探してください。
注意すべきは補償内容と上限金額・上限回数です。通院・入院・手術それぞれで上限金額や上限回数が決まっているペット保険では、思ったよりも保険対象となる範囲が狭くなり、受け取れる保険金が少なくなってしまうことがあります。
実例でもご紹介しましたが、猫の病気は様々です。通院だけで非常に大きな金額が必要になる場合もあります。そのため、補償の内訳が設定されている保険は少し不安が残ります。できるなら、通院・入院・手術の種類の制限がないペット保険の方が安心です。
免責金額については、設定されていない方が、軽い治療でも受け取れる保険金が多くなります。とはいえ、軽い治療ならば、免責金額があっても支払う治療費は少なくて済むのも確かです。
また、免責が設定されてるペット保険は、保険料が比較的低くなる傾向もあります。そのため、免責金額が設定されていても、あまり大きな問題にはならないとも思われます。
そして、ペットの年齢によっては加入できないペット保険もありますので、まずは年齢制限も確認しましょう。
次の記事では、代表的なペット保険会社の保険を紹介します。どのような方に向いているかについても説明します。次の記事も参考にしていただき、自分とペットに合ったペット保険を探してください。



