猫の行動

猫が伸びをする理由と気持ち

猫が「のび〜っ」と体を伸ばしている姿は可愛いですよね。思わず写真を撮りたくなります。でも、なかなか間に合わずに良い写真が撮れないんですが。

実は、この伸びには見た目以上に深い意味があるのです。猫の伸びは単なる気まぐれではなく、身体的にも精神的にも重要な役割を果たしています。猫がいつ、どのように伸びをするかを知っていれば、健康状態や気持ちを読み取る手がかりになることもあります。

今回は、猫が伸びをする理由をわかりやすく解説するとともに、伸びの仕方によって意味していることの違いも紹介します。

猫が伸びをする主な理由

ストレッチで筋肉をほぐすため

猫は一日の約70%を寝て過ごすとも言われます。非常に寝る時間が長いのです。長時間同じ姿勢をして眠っていた後に、体を伸ばして筋肉や関節がこわばっている状態をリセットするために伸びをします。

人間も朝起きたときや長時間座っていた後に自然とストレッチをするように、猫にとっても伸びが体を整える大切な習慣なのです。いわば目覚めの儀式です。伸びの後で動き出したり、また眠ったりするわけですが。

起きて伸びして、あくびして、また寝る

活動前の準備運動

猫はもともと優れたハンターです。瞬発力の必要な狩りの前には、体をしっかりほぐしておく必要があります。そのため、本能が現代の飼い猫にも残っていて、伸びをすることがあるのです。

遊ぶ前に伸びをしたり、ごはんの前に伸びをしたりといった行動は、体を温めて動きやすくするための準備と言われています。特に後ろ足をぐっと踏ん張って腰を持ち上げるようなポーズは、ハンティングの姿勢にも似ている気がします。

水飲むときにも、伸びみたいなことするよ

リラックス・安心のサイン

猫がのびのびとした姿を見せるのは、その場所が安心できる空間である証拠です。特に、飼い主の目の前やひざの上でぐっと体を伸ばす場合、それは「信頼しているよ」「甘えているよ」というサインです。

猫の伸びは、信頼関係が築けているからこそ見せる、無防備で愛らしい姿でもあります。

寝たまま転がって伸びするの気持ち良いー

気持ちの切り替え・ストレス解消

猫が何かに興奮した後や、来客があったあとに伸びをする姿を見たことはあるかもしれません。これは「転移行動」といって、気持ちのリセットやクールダウンのための行動です。

つまり、緊張していた気持ちを緩めるための伸びなのです。このような時の伸びは、ただのストレッチではなく、心を落ち着けるためのセルフケアの一種と考えられます。

怖い人がいると固まるからね…どっかいったら伸びする…

眠気のアピール

猫は眠くなると自然に体を伸ばします。これは、そろそろ眠い、リラックスしてきたという気持ちの表れです。

もし、何度も繰り返し伸びをしている場合は、もうすぐ寝る合図です。このようなときに、猫を撫でに行かない方がいいでしょう。眠いからそっとしておいてという態度を取られます。

体温調節のため

暑い日に猫が床にぺたんと寝転んで、体を長く伸ばすことがあります。これは放熱行動といって、体の表面積を広げて体温を下げるための工夫です。

猫は汗をかける場所が肉球くらいしかありません。そのため、体温調節が得意ではないのです。思い切り伸びて、ひんやりした床にお腹をくっつけて、熱を逃すための行動です。

毒素の排出(デトックス)のため

体を伸ばすことで、筋肉がほぐれて血行やリンパの流れが促進される効果もあります。これによって体内の老廃物を排出するサポートにもつながると考えられています。つまり、猫の伸びは健康維持のための行動でもあるのです。

猫の体の構造と柔軟性の秘密

猫が伸びをすると、思ったよりも長くなって驚くことがあります。抱っこしようとしたら、意外なほど猫が伸びるのも同じです。

猫の体は通常の1.3〜2倍ほどに見えるほど、びよ〜んと長く伸びることもあります。猫が長く伸びるのは、猫の体の構造に理由があります。

猫の骨格と関節構造

猫の骨の数はおよそ240個です。人間の206個よりも多く、特に背骨(胸椎・腰椎)はとても柔軟です。関節の可動域が広く、背中を丸めたり反らしたりが自由にできます。まるで液体のように見えることがあるのも、この骨格と関節の構造のためなのです。

関節・皮膚・内臓のしなやかさ

骨だけでなく、猫の関節をつなぐ靭帯や筋肉も非常に柔らかくなっています。また、皮膚には適度な「たるみ」があります。内臓も人に比べると可動性が高いのも特徴です。

これらの体の特徴から、猫は驚くほどコンパクトになったり、ぐーんと伸びたりできるのです。

猫の伸びを見たときの対応

ここまで見てきたように、猫の伸びにはさまざまな意味があります。ただし、猫が見つめてきたり、鳴いてくるのとは異なり、人に何かを要求していることはほとんどありません。

そのため、猫が伸びをしていたら無理に触ったり、驚かせたりせず、自然な行動として静かに見守るのが基本です。もしも伸びの直後に甘えてくるようなら、少しだけ撫でたり声をかけてあげても大丈夫。優しく応えてあげましょう。

また、伸びは健康のために必要な行動でもあります。そのため、伸びの回数が極端に少ない、またはいつも同じ場所でしか見せない場合は、運動不足やストレスの兆候かもしれません。生活環境や健康状態をチェックしてみましょう。

猫の伸びから猫の気持ちを探って

猫の伸びには、体を整え、心を整え、感情を表す、いろいろな意味があります。一瞬の仕草ですが、猫なりの理由があるのです。猫の伸びを、ただの可愛い仕草として見るだけでなく、今の伸びの理由は何かなと考えながら観察してみましょう。

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