猫の背中がピクピク動いたり、寝ているときに痙攣するような動きをしていることがあります。問題ない場合が多いのですが、健康上の問題が隠れていることもあるので注意が必要です。
この記事では、猫の「ピクピク」や「痙攣」について説明します。原因、病院に行くべき場合、日常のケアまでご紹介します。
猫のピクピク・痙攣とは
猫のピクピクにはいくつかの種類があります。小さな痙攣だけでなく、他の動きを伴うこともあるので、いつもの行動に隠れてしまうこともあるため注意が必要です。ここでは、猫のピクピクや痙攣の例を紹介します。
背中や腰が波打つように動く
猫の皮膚がまるで電気が走ったようにビクビクと動くことがあります。とくに背中や腰あたりが波打つように細かく動く様子が見られるのが特徴です。
寝ているときに手足や顔がピクピクする
眠っているときに手足やひげがピクピク動くこともあります。声が出ることもあります。これは夢を見ているときに起きやすく、健康な猫でも見られる行動です。
突然走り出す
何もないのに急に走り出したり、尻尾や体をしきりに舐める・かじるなどの自傷行動も、痙攣などと同じ原因かもしれません。神経異常やストレスが関与している可能性があります。
よだれや意識消失を伴う発作
てんかんや中毒など深刻な原因によって痙攣が起こる場合、口からよだれを垂らしたり、白目をむいて意識を失うこともあります。
ピクピクや痙攣の原因
レム睡眠中の生理的な反応(夢)
眠っている猫が軽くピクピクしているだけならば、夢を見ているときに体が無意識に動いてると考えられます。この場合、特に心配はいりません。
てんかん
てんかんは発作が繰り返される神経疾患です。特発性と症候性があります。全身がけいれんし、意識を失うことが多く見られます。
中毒
殺虫剤、タバコ、チョコレート、ユリなどの中毒性物質を摂取すると、急激な痙攣や嘔吐が起こることがあります。
低血糖
血糖値が下がりすぎてしまうことが原因です。子猫や糖尿病治療中の猫で起こりやすい症状です。ぐったりして痙攣を起こすこともあります。
脳の異常
脳炎、脳腫瘍、水頭症など、脳の疾患が原因で痙攣が出ることもあります。
肝臓や腎臓の疾患
老廃物が蓄積することで脳に影響を与え、痙攣が生じることがあります。
心疾患(心筋症・血栓)
酸素不足で痙攣が起こることがあります。特に肥大型心筋症は注意が必要です。
知覚過敏症候群(FHS)
背中がピクピク動く、毛づくろいを過剰にする、突然走るなどの症状が見られる病気です。ストレスや神経の異常が関係していると考えられています。
危険な痙攣と見分けるポイント

猫がピクピクしたり痙攣したりしていても、心配ない場合もあります。ただし、対応が必要な深刻な場合もあります。危険な痙攣を見分けることが大切です。
安全なピクピク(夢・軽い刺激)
短時間でおさまり、猫の意識も正常であればそれほど心配はいりません。
危険な痙攣の兆候
- 発作が1日に2回以上ある
- 発作が5分以上続く
- 意識が戻らない
- よだれ・硬直・失禁を伴う
- 明らかに異常な行動が続く
このような場合はすぐに動物病院に連れて行きましょう。
飼い主ができる応急対応
危険だと思ったらすぐに獣医さんに相談すべきですが、まず飼い主がその場でできることをするのも大切です。
発作時は刺激しない
声をかけたり、触れたりするのは避けた方がいいとされています。猫が安全に落ち着ける場所に移動させられればいいのですが、痙攣が続いている間はそっとしておきましょう。
危険物を遠ざける
痙攣している猫は自分で行動を制御できません。家具の角にぶつかったり、高い場所から落ちたりしないよう、猫の周囲に気をつけましょう。
動画撮影・記録をする
発作の様子をスマホなどで撮影し、発作の時間や行動をメモしておくと診察時に役立ちます。
動物病院を受診すべきタイミング
今すぐ病院に行くべき場合
以下のような重大な症状が見られたら、すぐに動物病院へ。
意識が戻らない
痙攣が止まらない
呼吸困難やチアノーゼが見られる
早めに診てもらうべき場合
以下の場合には、できるだけ早く獣医さんに相談しましょう。
発作がすぐにおさまるが、繰り返し発生している
発作以外の異常行動が見られる
検査と診断の流れ
痙攣や発作があった際には、主に以下のような検査が行われます。
- 血液検査や尿検査で内臓の状態を確認
- 皮膚・神経系のチェック
- 必要に応じてMRIやCTなどの精密検査
治療と対応方法
痙攣や発作が起こる原因がわかったら、治療が開始されます。原因ごとの治療方法には以下のようなものがあります。
動物病院で行うだけでなく、自宅で日常的にすべきこともあるので、飼い主も一緒に頑張りましょう。
てんかん
抗てんかん薬を使って発作をコントロールします。
中毒
摂取した物質に応じて催吐や胃洗浄を行って毒素を排出させます。その後、点滴や活性炭投与などの処置が行われます。
肝腎疾患
内科的治療、食事療法、点滴管理などが必要です。
知覚過敏症
環境改善やストレス対策、薬物療法、場合によっては行動療法を取り入れます。
日常生活でできる予防とケア
もし痙攣や発作が起こった場合に危険が少なくなるように、また、痙攣や発作を伴う病気になりにくくするために、以下のような予防をするのがおすすめです。
- 誤飲を防ぐために室内環境を見直す
- 清潔で快適なトイレ、遊び場、隠れ家を確保する
- 毎日の遊びやスキンシップでストレスを軽減する
- 年1回以上の定期健診を受ける
まとめ
猫のピクピクや痙攣は、無害なものから命に関わるものまでさまざまです。少しでも異常を感じたら落ち着いて観察し、情報が集まったら動物病院に相談するのがおすすめです。日頃から環境を整え、猫が安心して過ごせる暮らしを目指しましょう。