猫の飼い方

猫を飼うなら避妊・去勢手術を

猫を飼うなら、避妊・去勢手術をするのは当たり前です。昔は猫を飼うとしても、猫の本能を守るためや、手術のリスクを避けるためといった理由で、避妊・去勢手術をしない飼い主も多くいました。しかし、現在では猫に関する研究が進み、飼育環境が変わったことで、避妊・去勢手術を受けさせるべきだとされています。

この記事では、猫に避妊・去勢手術を受けさせる理由やメリットを説明します。また、避妊・去勢手術に関するリスクも紹介します。

避妊・去勢手術は当たり前

昔は、避妊・去勢手術をするのはかわいそう、猫は自然に生きるべきだ、といった意見もありました。そのため、避妊・去勢手術をしない飼い主も多かったようです。

しかし、現在では避妊・去勢手術をすることで猫にとっても多くのメリットがあることがわかってきています。そのため、人の都合で猫に避妊・去勢手術を受けさせるという意識もなくなり、猫のためにも避妊・去勢手術をすべきだという考え方に変わってきました。

避妊・去勢手術のメリット

猫に避妊・去勢手術をすることで、猫にとっても飼い主にとっても多くのメリットがあります。主なメリットをご紹介します。

不必要な繁殖を止められる

飼い主のいない猫の殺処分はいまだ続いています。その多くは子猫です。生まれたけれど飼いきれない猫が、たくさん、子猫を産んだ親猫の飼い主によって、保健所に引き渡されるのです。もし自分が飼っている猫が子どもを産んだとして、その子猫を飼えないのであれば、飼っている猫には避妊・去勢手術をしなければなりません。

猫は自然のままでは、年に数回の発情期を迎え、繁殖します。一回に数匹が生まれるので、年間で10匹以上の子猫が生まれます。それらの子猫すべての里親を探すことは無理でしょう。そのため、飼っている猫に避妊・去勢手術をすべきなのです。

オスがスプレー(マーキング)行動をしなくなる

オス猫が大人になると、スプレー(マーキング)行動をするようになります。自分の縄張りを示すため、自分の匂いをつける行為です。非常に匂いの強い尿を、あちこちに吹きかけます。そのために家中が臭くなってしまうのです。

避妊・去勢手術をすることで、縄張りへの意識や、メス猫へのアピールがなくなるので、このスプレー(マーキング)行動もなくなります。快適な住環境を維持できることは大きなメリットです。

スプレーしません!

メスの発情期特有の鳴き声がなくなる

メス猫は発情期になると、オスを呼ぶために甲高い大きな声で鳴き続けます。とはいえ、繁殖を避けるためには、発情期の猫を外に出すわけにはいきません。それでも発情期のメス猫は大きな声で泣き続けるのです。もしこの時に猫を外に出してしまうと、ほとんどの場合で妊娠します。そして、数匹の子猫を産みます。

避妊・去勢手術をすれば、メス猫も大きな声で鳴くことがなくなります。繁殖のために外に出ようとすることもなくなるので、猫も人も穏やかに生活できるのです。

おそと行きたくない!

性的欲求に対する不満やストレスが減り性格が穏やかになる

猫は本能的に繁殖しようとします。そのために、発情期が来ると異性を強く求めるようになります。それが顕著に現れるのが、オスがスプレー(マーキング)行動や、メスの大きな鳴き声なのです。また、発情期に繁殖行動を取れないと、大きなストレスを感じることにもなります。

避妊・去勢手術をすると、繁殖に関する欲求が減少します。そのため、繁殖のための行動がなくなります。それだけでなく、繁殖のための行動を取れなくても、不満やストレスを感じることがなくなるのです。その結果、発情期に悩まされることなく常に穏やかに生活できます。

生殖器系の病気の予防ができ長生きできる

かつては、避妊・去勢手術は望まない繁殖を避けるために行われていました。そのため、人の都合で猫の行動を制限していると考えられることもありました。

しかし、現在では、避妊・去勢手術が猫の健康にも良いと考えられています。猫のホルモン状態を原因とする乳腺腫瘍・子宮頸がん・前立腺の病気などを防げるのです。がんに近い病気を防げるため、猫の病気を未然に防ぐ効果があります。

また、発情期や攻撃性がなくなることでストレスも少なくなり、穏やかに過ごせます。繁殖をめぐる喧嘩によって怪我をすることや、感染症にかかる心配もなくなります。そのため、避妊・去勢手術をした猫は長生きできる傾向があるのです。

避妊・去勢手術のリスク

ただし、避妊・去勢手術には、猫にとってリスクが残っていることも事実です。特に、手術に全身麻酔が必要になること、体質が変わって太りやすくなることが代表的なリスクです。

麻酔が必要なので、体の弱い猫にとってはリスクになることがあります。とはいえ、避妊・去勢手術をする前には、獣医さんが診察してくれることがほとんどです。その過程で、心臓や循環器が弱いなどの理由で避妊・去勢手術にリスクのある場合、きちんと飼い主に伝えてくれます。その説明を考慮して、手術をすることで猫が得られるメリットとリスクを判断してください。

手術前にちゃんと獣医さんが検査してくれます。

お兄ちゃんは麻酔すると心臓に少しリスクがあるって言われたらしいです。そのリスクや可能性もちゃんと教えてくれます。

また、避妊・去勢手術をすると、性ホルモンの分泌が減ることで、基礎代謝が低下するためと言われています。そのため、太りやすくなる傾向があります。しかし、猫の生活習慣や餌については飼い主がコントロールできる部分です。猫の健康を考えて、太らないようにすることは可能です。

動物愛護法での避妊・去勢

猫に去勢・避妊手術を受けさせることには多くのメリットがあります。多少のリスクも残りますが、メリットとリスクから判断すると、ほとんどの場合で手術すべきと考えられます。

もし去勢・避妊手術をせずに、飼っている猫が多くの子猫を産んでしまうことについては、動物愛護法でも規制があります。動物愛護法37条で、次のように定められているのです。

犬又は猫の所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置を講じなければならない。

つまり、自分の飼っている猫が子猫を産んだ場合に、自分でその子猫も飼えないならば、飼っている猫に去勢・避妊手術をしなければならないのです。

また、動物愛護法には罰則も定められています。飼っている猫が産んだ子猫を捨てると、飼い主には100万円以下の罰金が課せられます。猫を捨てることは犯罪なのです。

飼っている猫が子どもを産んでも里親を探せるだろうと安易に考えず、自分で飼うことができないならば、必ず不妊・去勢手術を行いましょう。

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